「EV = 電欠怖い」を解決? JAFの充電ロードサービス、果たして成功するのか | Merkmal(メルクマール) - (2)
今回、JAFが試験的に導入した車載可能な急速充電器の詳細については、公式には発表されていない。
しかし、この種のポータブル急速充電器を商品化している企業は多くない。そのなかで、すでに公式リリースでJAFの名前を納入実績として挙げている企業が日本にある。ベルエナジー(茨城県つくば市)である。
同社は、米国のエネルギーEV機器ベンチャーのスパーク・チャージが開発したポータブルEV充電器「Roadie V2」を手掛けている。
この装置は、急速充電規格であるCHAdeMOコントロールユニットをベースに、複数のリチウムイオンバッテリーユニットを組み合わせている。コントロールユニットの最大出力は20kW、バッテリーユニット1個あたりの容量は3.35kWhで、1基のコントロールユニットで4個のバッテリーユニットを接続できる。
充電時間はバッテリー・ユニット1個あたり約10分。充電による走行可能距離は、車両によって多少異なるが、バッテリーユニット1個で約20km。接続された4個のバッテリーをフル活用すれば、約80kmの航続距離を確保できる。20kmから80kmという数値は、電欠場所から最も近い充電スポットまでの距離として一般的に十分なものである。
一方、機器を運用する側は、設置にともなうイニシャルコストやバッテリーユニットの充電スペックなども気になるところである。
Roadie V2のCHAdeMOコントロールユニットは約200万円。バッテリーユニットは1個60万円以上といわれ、プロスペックであることを考えるとそれなりに高価だ。バッテリーユニットは家庭用AC100Vで充電でき、充電時間は最短4時間。ロードサービスにとっても、高圧受電が不要なこの充電スペックは使い勝手がいい。