自動車の心臓部
エンジンのパーツは「鋳物」から「削り出し」で作られる。
なので一つ一つ寸法、重量に微妙な差が有る。
部品ごとに許される寸法差、重量差が有る=「標準公差」
「公差」はメーカーにより異なるが
低品質を許容する「コスト優先」で「ルーズ」な自動車メーカーもあれば(自分に甘いメーカー)
そこにシビアにこだわる「エンジン屋」もある。
シャシーダイナモで実車の性能チェックを行えば分かってしまうが
カタログ値からの乖離が大きくて有名なメーカーもあれば
最終製品の「個体ごとのバラツキ」が少なく「カタログ値」から離れていないメーカーもある。
メーカーの組み立てラインでは、流れてきたピストンなどのパーツを流れ作業で組み付けるだけ
マスプロダクション=大量生産 とは、そういうもの
「寸法差」は「加工精度」が上がれば小さくなるが
「重量差」は「鋳物」ゆえのバラツキをなくす事は出来ない。
一般車用製造ラインは
ピストンやコンロッドの重量合わせは行わない
なので4気筒すべて重量はバラバラ
「重めのピストン」と「重めのコンロッド」の組み合わせや
「軽めのピストン」と「軽めのコンロッド」の組み合わせは現実に起きてしまう。
「クランクシャフト」に組み込まれ、「高速回転」した際の
慣性モーメントに差が出る。
重量差が小さく、スムーズに吹き上がる「仕立ての良い」エンジンと
反して騒々しくパワーの出ない「粗野な」エンジン
「最近の車は加工精度が高いので、慣らし運転は不要」などと分かったように言う
上っ面だけで知ったつもりになっている自動車評論家も居るが
自動車の本質を掴んでいない。
(こんな事をいう一部の自動車評論家は、エンジンをバラして組み上げた事などないだろう)
一般的には、量産車のエンジン程度にかけられるコストには制限がキツい。
一発勝負にかけるレーシングカー並みに法外なコストをかける事は出来ない。
仮に、どんなに精度良く加工したとしても、「ピストンリング」と「シリンダー」、「クランクシャフト」と「メタル(クランクシャフトベアリング)などの「あたり」をつける事は出来ない。
この「あたり」をつけるのが、新車の慣らし運転。
もともと「粗野」なエンジンであれば、「慣らし」を行ったところで仕上がり(フィーリング)は変わらないので
「車なんて走ればイイ」と思っている人は「慣らし運転は不要」。
同じく「エンジン」「足廻り」の「暖機運転」も「やらなくても」走れなくなる訳では無い。
が!新車を「仕上げ」て、長期間コンディションを維持したい
(性能の劣化を最小限におさえたい)と思うのであれば「慣らし運転」も「暖機運転」は「有効」。
エンジンが「冷え切っている」冷間始動時は、(気温が高い季節で)最低限1〜2分でも、
オイルの油圧が上がり、各部にオイルがまわる程度の暖機は必要だと考える。
(「タイヤ」や「窓ガラス」など、走り出す前の「簡単な点検」を済ましている間に1〜2分は経過する。)
最低限のエンジンの暖機をしたら、あとは足廻りの「暖機」と合わせて、ソロリと走り出し
ユルユルと「走りながら暖機運転」をすれば良い。
オイルの「ブランド」や「銘柄」には「こだわる」くせに「暖機運転は不要」というのは
新車の外装の傷や洗車方法には、こだわるくせに
洗車機に突っ込むのと同じくらい違和感を感じる。
そもそもの「素性が良い」仕立ての良いエンジンをさらに「調律」した「タイプR」
『インテグラ タイプR 95スペック』
https://bestcarweb.jp/news/78579
"エンジンも究極とも言えるチューニングを施し、1.8L、直4NAエンジンから、最高出力200ps/8000rpmを達成した。"
"手組みでポート研磨や面研やフルバランス取りを行なったというだけあって、吹け上がり方が最高に美味しい。"
バランス取りしたエンジンと、していないエンジンで
回転の吹け上がりや最高回転付近でのスムーズさで差が出るのは当たり前
『ホンダ『B18C』はレーシングエンジン並みのスペック?性能や搭載車種も』
NSXタイプRの徹底したこだわり
https://www.honda.co.jp/auto-archive/nsx/2005/special/nsx-r/challenge/04.html