『続・人類と感染症の歴史』の第9章「SARSとMERS」を公開します。
https://www.maruzen-publishing.co.jp/smp/info/?action=detail&news_no=19784
"MERSはSARSの時ほど、急速に他地域へは拡散しなかった。
基本再生産数(病原体の感染力の強さを表す概念)=1人の患者が何人の患者に感染させる可能性を持つか(2次感染者という)の数値
MERS 0.8~1.3
インフルエンザ2~3
SARS 2~5
はしか16~21
"たしかにMERSコロナウイルスの感染力は麻疹やインフルエンザよりも低い"
MERSもSARSと同様で、原因がウイルスなので抗菌薬は効かない。また、特有の治療法はなく、肺炎の治療と全身状態の改善を図る対症療法になる。
"中国、特に北京での患者急増の事態の中で、WHOは、画期的な手を打った。2003年4月2日、流行地である香港と広東省への緊急ではない渡航の自粛勧告であった"
"この勧告が功を奏し、各国の防疫の努力と相まって、SARSは急速に収束に向かった。"