テスラが200万台リコール、アメリカで最大規模 「自動運転支援」で - 日本経済新聞
テスラが米運輸省高速道路交通安全局(NHTSA)に12日付で届け出た書類によると、リコール台数は計203万1220台となる。
NHTSAは、テスラのオートパイロットについて、ドライバーの誤使用を防ぐための対策が十分ではなく、これが衝突などのリスクを高めていると判断したもようだ。
テスラのオートパイロットは作動中も運転手による常時監視が必要で、日米などの自動運転技術の基準では「レベル2」にあたる。レベル4や5といったシステムが主体となって運転を代行する技術ではない。米当局は今回、危険を招きかねない状況で運転手へ警告を鳴らすなどの機能が不十分だと説明した。
テスラは所有者に無料のソフトウエアアップデートを提供し、リコールに対応するとしている。
テスラのオートパイロットについては、名称が「完全自動運転が可能だ」という誤解を生んでいるとの指摘も多い。
米国内では衝突事故も起きている。こうした状況をうけ、NHTSAは21年から今回のリコールにつながる調査に乗り出したとしている。
2023年11月には、19年の衝突事故を巡る訴訟で、南部フロリダ州パームビーチ郡巡回裁判所の判事が、テスラがオートパイロットに欠陥があると認識しながら適切な措置をとらなかった可能性があるとの判断を示した。
テスラは自動運転支援・高度運転支援技術について、実用化を急ぎ、顧客のフィードバックを開発に生かしていく方針だ。技術を市場投入してから試行錯誤していく姿勢に批判もある。