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低賃金 出生率低下

 

 

 

アングル:イタリアで続く若いシェフの流出、長時間・低賃金労働に嫌気 | ロイター

 

サンナさんは19歳でキャリアをスタート。サルディーニャ島と北イタリアの厨房で4年間働いた。しかし、週60時間労働で手取りはわずか月1800ユーロ(1963.26ドル)。夏の繁忙期には2カ月間、休みなく毎日コンロに向かうこともあった。

 

そんな時、仲間のシェフからニューヨークのレストラン経営者を紹介され、一も二もなく移籍を決めた。

この1年間はブティックやギャラリーが並ぶマンハッタン・ソーホー地区にあるイタリアンレストランで腕を振るっている。週50時間働き、稼ぎは月7000ドルに増えた。

 

 

「今は契約が正規で、ただ働きはゼロ。そして1分でも余分に働けば、その分の賃金が支払われる。イタリアと大違いだ」と話す。

 

 

 

 

世界に名だたるイタリア料理だが、才能ある若手シェフの多くが低賃金、労働者保護の欠如、展望のなさから自国でのキャリアを断念している。イタリアは25年前の単一通貨ユーロ発足以来、経済がユーロ圏で最も低迷している。

 

 

イタリアの厳しい国内事情によるシェフ流出は、今に始まったことではない。ピザやパスタといったイタリア料理は19世紀後半から起きたイタリア人の海外への大量移民によって世界に広がり、欧米で人気が高まった。

 

イタリアでは外食が日常生活の一部となっている。調査会社IBISワールドのデータによると、国内のレストランとテイクアウト店の数は15万6000軒と、欧州ではフランスに次いで2番目に多い。

しかし、業界団体FIPEによると、高い税金、煩雑な役所による事務手続き、厳しい経済状況を背景に国内のレストランは過去6年間、既存店の閉店数が新規開店数を上回り続けている。

 

だが、最も伝統的なイタリアンレストランの厨房でさえ、低賃金の移民労働者がシェフとして働いていることが少なくない。労働許可証がないペルー人、フリオさん(31)もその1人。ローマのレストランでピザとパスタを調理している。週48時間働いて月給は1400―1600ユーロ。常に闇労働だという。